日本の青森大学で、「中国からのニセ留学生」事件が勃発した。同大学の校長は「受験者数を増やすために、後先考えずに、審査にも甘かった。そのため中国からの『ニセ留学』が増えてしまった」と認めている。同大学の調査委員会は、2度とこのような事態が起きないように、特別処置を取った。青森大学の事件を機に日本の大学は、中国の留学生に対する入学審査をますます厳しくするだろう。留学許可が下りない確率は上がるかもしれない。
偽造証明書で入学 授業には出ず
1月14日、青森大学の末長洋一校長は記者会見で、「授業に全く参加せず、アルバイトばかりしているために、2008年から2010年までに除籍処分にした中国人留学生は140名に上る」と明らかにした。学生の中には、東京に出て働くものもいるそうだ。また、除籍処分にされた中国人留学生のうち1/3は入学時の書類に偽装が見つかった。日本語能力試験の合格書を提出しているはずが、日本語が一言も話せないことが発覚した学生もいるという。
青森大学は2006年から中国人留学生を募集しており、うち80%が内モンゴルと北京にある3カ所の日本語学校の生徒である。青森大学に入学するには、まずは大学と提携している日本語学校で勉強するのが一般的である。そして、日本語のレベルが入学基準を超えないと大学に入ることはできない。調査委員会は、この5年間、一部の学生に関しては学校側が彼らに学校に来るように連絡しない限り、授業には出なかったと言う。また、学生が入学時に提出した学費の支払い能力についての証明書も偽造されたものだった。
ニセ留学の三大要因
啓徳ヨーロッパ・アジア教育センター日本留学キャリア顧問の陳科氏は「ニセ留学生」事件が発生した原因を以下の3つに分析した。
まず、日本はお金が稼ぎやすいと考えている中国人が多く、留学を隠れ蓑にアルバイトをしてお金を稼ぐことを考えている。次に、「少子化」が日増しに深刻になるにつれ、教育資源は有り余り、学校はどこも学生不足で収入源が緊迫している。そのため、入学基準をわざと甘くしている学校も少なくない。日メディアの報道によれば、青森大学の末長校長もこの点を認めている。彼は「収入源の問題を解決しなくてはいけないという思いが強く、学生も提携している語学学校の推薦だったため、問題ないだろうと考えた。そのため、審査も綿密に行わずに、偽造された事にも気づくことができなかった。それが多くの『ニセ留学生』が入学する原因を作ってしまった」と述べている。そして3つ目に、留学生の所属する大学には、日本政府から補助金が出る。収入源の緊迫している学校にとって、留学生は、収入を増やすことと国の補助を受けることに繋がる「美味しい商売」なのだ。そのため、留学生の募集枠組みを広げる大学が後を絶たない。枠組みが拡大すれば、生徒は必然的に増え、細かいところまで見ずに、あるいは見て見ぬ振りをして、「ニセ留学生」のために住みやすい環境を提供するに至った。
日本留学の専門家である李蕙氏も「日本は2008年に『2020年までに留学生を30万人募集する』計画を打ち立てており、政府はこれに対し予算を増やし、大学の留学生受け入れを後押ししている。経営のことを考え、留学生に対する審査基準を下げている大学も多い。このような背景の中で、留学と言う名義を利用して、ニセの資料で大学側の目をごまかし、アルバイトするために日本に行く中国人留学生が増えていった」と指摘している。