更に厳しくなる日本の審査
国内の留学の関係者らは、青森大学の事件をきっかけに、日本の大学の中国人留学生に対する審査は厳しくなるだろうと見ている。広東教育国際交流サービスセンターの責任者で、留学事情に精通する専門家でもある徐志成氏は「日本は信頼を第一に考える国である。今回、大勢の留学生を除籍するという不祥事が発生し、学校側の申請書類への審査も、ビザの許可基準もますます厳しくなるだろう」との考えを示した。
アルバイトしながらの留学は非現実的
勉強しながらアルバイトをすることは珍しいことではない。アルバイトはほろ苦い留学生活になくてはならないBGMのようなもので、それがないと何か物足りないと感じる人も少なくないだろう。広東教育国際交流サービスセンターの留学問題の専門家である楊佳敏氏は「日本では、満18歳以上の学生で、有効な留学生ビザを持っている者はアルバイト許可証を申請できる。週のアルバイト時間は28時間を越えてはならない。しかし、この規定が守られていないのが現状である。多くの留学生が何個もアルバイトを掛け持ちし、収入を得るために学業を疎かにしてしまう」と述べた。
メディアの報道によれば、大学の高い学費が負担になっており、勉強の傍らアルバイトをしなくては生活できない留学生が多い。啓徳教育ヨーロッパ・アジア部日本局の責任者である賈慶生氏は、これとは違う考え方を示している。彼は「日本は教育をひとつの産業とは考えていない。そのため、留学生はどの学校へ行っても、学費は日本の学生よりも遥かに安いはずである。しかし、日本と中国の経済発展のレベルにはまだある程度の差があるため、中国の平均収入は日本より低く、日本への留学はお金がかかると感じてしまうのだ」と述べた。
陳科也氏も「青森大学の1年間の学費は55万円(約4万人民元)で、青森県の生活費も都心に比べると比較的安く、学生にそこまで重い負担がかかるわけではないので、必死にアルバイトをして生活費を捻出する必要はないと言えるだろう」と指摘した。日本の入国管理局の規定では、留学生が許可されるアルバイト時間は1週につき28時間以内である。日本の最低賃金で計算しても、週に28時間も働けば、1ヶ月でおよそ8~10万円ほどは稼げるので、食費や家賃の支払いには十分事足りるという。
留学生の家庭にはしっかりとした経済力がなくてはいけないと指摘する専門家もいる。留学中の生活をアルバイトだけに頼るのは現実的な考え方ではない。徐志成氏は「留学保証金の目的は学生の留学期間中の学費と最低限の生活費を保証するものである。現在、留学生保証金制度の基準緩和を行っている国も多く、経済的バックグランドが不十分な学生にも抜け道を与えている。『アルバイト目的のニセ留学生』の多くは、経済が発達していない地域から来た者で、比較的豊かな広東地域から来た学生がこのような事件を起こす事はほとんどない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年1月24日