さて、会場で試食した中日の若者たち。その大半を占める男性陣の意見は、「肉料理のバリエーションが多いのは男にとってこれ以上ない幸せですね!」これに対して女性陣の意見はやや冷静。「沖縄というと伝統的な独自の文化を持つ場所、という印象があるが、『タコライス』のようなお料理を見ると『ああ、そうだ。沖縄は外国の文化も息づいている場所なんだ』と思い出す。どちらのお料理もパッと明るい感じがして良いですね」。中国人と日本人で違った意見が聞かれるかと思っていたのだが、誰もがタコライスは「洋風料理」、ソーキ丼は「中華料理風」という風に捉えているからか、「中国人と日本人」というよりも「女性と男性」でコメントの傾向が異なったことが、興味を引く点だった。
このほかにも、泡盛と一緒に頂いた「豆腐よう」。これは中国の「臭豆腐」と呼ばれる食品によく似たもので、こちらも明の時代に琉球王朝へと伝えられた「腐乳」が元になっていると言われている。泡盛は琉球王朝時代にタイから伝わったものだそうですが、明の記録では「その醸法は(中国の)露酒」であるとされている。
こうしてみると、中国と沖縄は非常に関係深い絆をその歴史上築いてきたことがわかる。今回のイベントは、単純に「さまざまな国の若者たちが集まる」というだけでなく、沖縄という場所をより深く体験したり、中国と沖縄の交流の軌跡を垣間見ることができたりするなど、宝石箱のようにとてもたくさんの「歴史が残してきた地球の宝物」を見出せるイベントなのではないかな、と思う。