ロシアのラブロフ外相はモスクワでロシアを訪れた日本の前原誠司外相と会談、双方は論争中の南千島群島(日本名・北方四島)問題についてそれぞれの立場を説明した。
ロシアと日本は南千島群島をめぐる領土紛争で依然、意見に大きな隔たりがあるものの、双方はそれぞれが受け入れられる解決案を求めたいとしている。
ラブロフ外相は会談後の共同記者会見で、先ごろ「北方領土の日」に起きた日本の「破壊行為」により、双方の関係は全体的に暗たんたる雰囲気を呈したが、「建設的な発展」にはマイナスだと指摘。
ロシアと日本がいまだ締結していない平和条約について、ラブロフ外相は「日本側が平和条約の問題を議論する際には、過激な姿勢が優位に立ちがち、しかも定期的にそうなる。当該国の一部の指導者がこうした姿勢を持ち、こうした条件下で行う交渉には将来性がない」と強調した。
さらにラブロフ外相は、ロシア側が日本側と平和条約を締結するにあたっては、「先決条件も歴史的ないざこざもない」とし、「複雑な歴史問題は学者の側が議論すべきであり、日本側と二国間の関係史をさぐる共同委員会を設立したい」との考えを表明。同時に、「平和で友好的雰囲気の下」ですべての問題を解決することに期待を示した。
一方、前原外相は、ロシア側と建設的な対話を行いたいと考えていると述べたが、「双方の領土問題での立場は異なる」、双方の立場は「平行的」で、「共通点」は存在しない、とも強調。
また前原外相は、双方は合意と法律上の準則、公正を踏まえて、「平和的な雰囲気の下」で議論し、双方いずれもが受け入れられる方法を求めて領土紛争の問題を解決すべきだ、と指摘した。さらに、日本政府の上層部が「日本の法的地位を損なわないことを前提に」、ロシアと「北方領土」で経済協力を展開する可能性について検討することを明らかにした。
前原外相は当日、フリステンコ産業貿易相と会談し、12日にはナリシュキン大統領主席補佐官とも会談する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年2月12日