中国資本による日本の土地買収の勢いが増している。しかも河流沿岸や森林近くの土地の買収だけでなく、企業買収や「中華街」に似た通りもつくっている。これらすべてが日本の不景気を起因としており、豊かな資金力をもつ中国が地元に活力をもたらし、経済成長を促すと期待がかかっている。その一方、投資意欲の高い中国の若い富裕層が激増している。
今年初め、胡潤研究所が発表した中国の長者番付で驚くべき事実が明らかになった。昨年、中国で資産1000万元以上の富豪は87万5千人、うち個人資産が1兆元を上回る富豪は5万5千人だった。さらに、毎年13%の人が海外旅行やゴルフ、高級車や贅沢品の購入に300万元以上を費やしていることがわかった。これらの富豪のうち、資産1000万元以上の富豪の平均年齢は39歳、資産1億元以上の富豪の平均年齢は43歳だった。これは他の国ではありえないことだ。
6年前、千葉県木更津市の中心に巨大な「中華門」が建ち、地元住民は「ここは中華街になるのか?」と疑問を持った。中華門の所有者は中国資本が買収した老舗ホテル。このホテルは旧正月期間は早くに予約で埋まり、中国人観光客専用の送迎バスまで用意した。
2004年、木更津市の水越勇雄市長は中国を訪問、自ら先頭に立って売り込みを行った。市長の宣伝が功を奏し、市の観光は活性化され、中国からの観光客がうなぎのぼりに上昇した。
一方、新潟市では中国領事館移転と中華街構想という2つの「中国問題」に頭を抱えている。新潟市の中国総領事館は昨年、市と県が共同で誘致した。当初、中国総領事館は市中心のオフィスビルにあったが、昨年8月、中国側から市に対し、市立小学校のある約1.5万平米の土地を購入したいと申し出があった。
市役所はきちんと説明する前に測量に着手したことから、地元住民の反感を招いた。その上、釣魚島事件が起き、住民の反対意見はさらに大きくなった。そんな中、昨年10月、中国総領事館は突然別の場所に移転。翌11月中旬、新潟市は中国側に対し、住民の理解が得られないため、土地買収できないと説明。その後、この件は決着がつかないまま放置された。名古屋市でも昨年7月、中国総領事館は名古屋市中心の国有土地買収準備を進めていたが、地元住民の反対に遭うという同じような事が起きている。
新潟中華街構想は昨年7月、新潟市中国総領事館開設を祝賀する記念イベントで、王華総領事が泉田裕彦県知事に提案。泉田知事は「新潟に世界に名を馳せる中華街ができれば、またひとつ文化的な観光地が増える。非常に魅力的な構想だ」と賛同した。
現在経営に苦しむ市中心のショッピング街に中国人を呼び込む構想だったが、地元住民は(中国人が一挙に進出してくると)新潟が東京の池袋のようになってしまい、地元の景観や治安によくないとして反対した。
仙台市の梅原克彦市長は同市でも2006年に中華街計画が流れたことを振り返り、「地方の幹部や議員の危機意識が低いのは深刻な問題だ。市民にとって街の安全は非常に重要だ。目先の利益だけを追ってはならない」と警告した。
しかし木更津市の水越市長はそうは思わないとし、「中国人観光客のお金の使い方には驚く。不安になるようなことはない」と話す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年2月17日