環境にやさしい新材料を使った防風固砂(砂の風による飛散を防ぎ固定する)技術が来月、甘粛省金塔県で初めて使われる。県政府と日本の東レ株式会社、中国藍星環境工程有限公司が砂漠固定緑化プロジェクト実験取り決めに調印した。それによると、東レが1万平方メートルをカバーするポリ乳酸(PLA)材料を無償提供し、藍星公司が技術支援し、金塔県の林業機関が具体的作業を行う。
金塔県砂漠化対策研究試験センターの関係者は次のように語った。これは新型PLAバイオ分解材料を使い、草の種子を繊維に入れて、砂漠に埋めるもので、繊維材料は地中の微生物の力で二酸化炭素と水に分解され、草の種子の発芽が促され、砂漠化対策に効果がある。
実験は金塔県解放村のダム湖周辺の2万平方メートルの砂地で実施し、砂の移動を止めて、周囲の環境を緑化する。
甘粛省砂漠化対策研究所の方峨天研究員は、PLAは環境にやさしい材料で、砂の移動を食い止めて固定する研究とモデルを広く普及させるべきだと述べた。
中国の砂漠化対策は通常、草や石、粘土を使って砂が流れないよう固定する方法をとっている。この方法と比べ、新しい技術は、砂を固定するだけでなく、緑化効果もあり、さらには取り扱いやすく、輸送が便利で、施工技術が簡単といった優れた点がある。
金塔県は河西回廊中央の北側に位置し、モウス砂漠とパタンチリン砂漠の外縁部に位置する。面積は2819万7200ムー(約188万ヘクタール)で、うち1815万9000ムー(約121万ヘクタール)が砂漠化し、全体の64・4%を占め、甘粛省で砂嵐の危害がひどい県の一つとなっている。
中国在日本大使館ウェブサイト 2011年2月24日