菅直人首相 |
大災害の下でも日本社会は混乱せず、市民にパニックも起きなかった。これら全てはレベルの高い日本メディアの功績が大きいと考えられているが、その背後にある政府のコントロールも指摘するに値する。(文:呉懐中・中国社会科学院日本研究所研究員。人民日報系の国際情報紙「環球時報」より)
西側諸国のメディアは非常に大きな自由度と権力を持つと従来考えられてきた。だが、社会コントロールシステムにおいては明らかに政府がメディアより上に立っていることは、紛れもない事実だ。行政権力はメディアに対してコントロール・管理権を持つ。また、メディアや報道の自由に対するコントロール、調節、誘導を進んで放棄する政府は世界のどの国にもない。
日本政府も例外ではない。日本政府は震災において、ハードなコントロールとソフトなコントロールによってメディアへの管理を成し遂げた。前者は主に法的手段、後者は主に行政または広報手段による。西側では前者の持つ意味は大きくはない。基準は緩やかで、処理も「標準作業」だ。だが後者はその運用技術が往々にしてコントロールの成否に直接関わってくる。日本政府は主にメディアへの間接的誘導と直接的指導を組み合わせてきた。
間接的誘導とは主に、政府が報道発表の主要ルートや要所を掌握し、正確な情報を自ら速やかに発表することを指す。これは(1)内閣が全般的な情報を最初に発表。重大な通達や情報は枝野幸男官房長官が一元的に管理する(2)政府各部門が各々の管轄する情報を発表する(3)各地方自治体が速やかに記者会見やブリーフィングを開く----の3層構成だ。