今回の原発事故に関しては今後,速やかに徹底的に検証を行い,そこから得られた情報と教訓を世界と共有し,このような事故がなくなるよう原子力の安全性向上に向けた国際的議論に積極的に貢献していく所存です。他方,エネルギー政策全体の観点からは,高まる世界のエネルギー需要と深刻化する地球温暖化問題に向けての温室効果ガスの排出削減の必要性の両面をにらみ,同時並行的にクリーン・エネルギーの開発・利用の抜本的推進を含め,世界が直面するエネルギー問題の解決モデルに資するビジョンを,新生日本から世界へ提示していきたいと考えています。
今回の大地震と大津波は,我が国が戦後直面した最悪の自然災害であり,この災害に見舞われた東日本の復興は決して容易ではありません。しかし,私はこの災害を日本の新生のための重要な機会と捉え,「自然災害に強い地域を築く」,「地球環境と調和するシステムの構築」,「人に優しい,弱者に優しい社会の構築」を三本柱として,東日本から世界に,最先端の社会システムを示すべく全力で取り組みます。
我々日本人は,かつて戦後の焼け野原からその底力で立ち上がり,目覚ましい復興を成し遂げ,今日の繁栄を築きました。今回も,この国難に必ず打ち勝ち,復活し,新生し,新たな国を創造していきます。そして,再び国際社会の発展に貢献する国となることが,国際社会が示してくださった「強い絆」と「温かい友情」に応える最高の返礼だと信じています。そのために,未来の夢を先取りする「未来志向」の復興を目指し、懸命な努力を続けていきます。海外の皆様には引き続きご支援とご協力をお願いします。ありがとうございます。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年4月21日