競技中の蒼国来(右)
日本相撲協会の八百長スキャンダルは、20名以上もの力士を巻き込む事態にまで発展し、人々を驚愕させた。更に、中国国籍で唯一の幕内力士、蒼国来が八百長に関与したとして解雇されたニュースには、中国及び全世界の中国語メディアが大きな注目を寄せた。
中国語メディアによる初の取材
同様に、外国人現役力士である蒼国来が初めて、解雇処分を不服とし、直属の上部機関である相撲協会を相手に訴訟を起こすとのニュースは、日本メディアの大きな関心事となった。東京で『亜洲週刊』の取材に応じた蒼国来は、「私は如何なる八百長にも関与していない。私は既に訴訟を提起した。法廷で潔白が証明され、大好きな相撲の土俵に早く戻れるよう望んでいる」と語ったと、香港『亜洲週刊』は報じている。
これは、蒼国来が初めて中国語メディアの取材を受けたものだ。「あなたは本当に八百長には全く関与していないのか?」との、記者からの再確認の問いに対し、蒼国来は「本当に八百長には全く関与していない」と答えた。では何故、相撲協会理事会は八百長への関与を認定したのか。蒼国来は次のように述べる。「それが、この問題の深刻なところで、不可思議な謎だ」、「私は何度も口頭や書面で、特別調査委員会及び理事会に対し、自分が八百長とは無関係であると表明してきたが、全て無視された。更によく分からないのは、私が八百長に関与したという証拠や根拠が全く不明確な点で、認定の証拠とされる関係者の供述は全く具体性に欠ける。それによって解雇処分が下されたことは、絶対に受け入れることはできない」。
4月22日、小松初男弁護師ら弁護師5名の同伴のもと、蒼国来は東京地方裁判所に赴き、同人に対する相撲協会の不当解雇を訴え、力士としての地位の保全と月額139万円の給与の支払いを求めた。虎ノ門法律事務所など3つの法律事務所の10名近い弁護師から成る弁護団が、蒼国来の訴訟を全面的にサポートするという。4月23日夜、東京、大阪、名古屋等から来た相撲ファン60名は、東京で「蒼国来を囲む会」を立ち上げ、蒼国来が裁判で正義を取り戻し、潔白が証明されるように、と励ました。
ファンの支持を得た蒼国来