実際のところ、今2011年になって、北京市内で「タンを吐く」という市民は、なんとなくではありますが、減少してきたのではないかなぁというのが僕の生活実感です。この数年で黄砂や乾燥の度合いが変わった、または農民工の教育水準が数年で向上した、ということは考えにくいですから、政府の「痰を吐かない」スローガンが効いてきたのかもしれませんね。
さてこれに関連して、今日のニュースで面白いトピックがありました。
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大阪府は、映画館や野球場などの営業者に入場者のたん、つばを吐く行為をやめさせるよう義務づけてきた条例を62年ぶりに改正した。このほか、銭湯や温泉で屋外洗い場の設置を禁止してきた条例など、営業活動を規制してきた計7条例を改正。府担当者は「いずれの条例も時代や実情に合わなくなっていた」としている。
一連の条例改正は、昨年8月、理容師の耳そり、耳掃除、鼻毛そりサービスを禁じる条例があることを報道で知った橋下徹知事が、「おかしなルールは改める」として、他の条例も含めて見直すよう指示したことがきっかけ。
府は、営業活動に関わる26条例について、現状に合っているか、過度の規制になっていないかなどを点検。耳掃除を禁止してきた府理容師法施行条例を含め7条例を改正し、4月1日から施行した。
映画館や野球場、音楽ホールなどの営業者側に、入場者の「たん、つば行為」をやめさせる努力義務規定を設けていたのは、府興行場法施行条例で、規定は昭和24年に策定された。
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こうしてみてみると、日本でも当時は地方公共団体が条例で規制をするほどに「タンを吐く」行為が市民レベルで多く散見されたのだと思います。今まさに、大阪府は時代にそぐわない「おかしな条例」ということで、これらを撤廃するようですが、なんとこれらは、62年前に制定されていたわけですね。うーん、長い歴史です。現在の中国と当時の日本では経済発展速度、教育水準向上速度が異なりますから、中国が同じ年月を経て62年後に現在の日本の水準ということはないでしょうが、この日本のたどってきた軌跡は、中国に対して興味深い示唆をもっているといえます。