5月に入り、東日本大震災が日本観光業界にもたらした極めて深刻なダメージに変化が生じている。ダメージが影を潜めるにつれ、中国人観光客による日本観光ツアーが徐々に回復、日本の観光業界も新しいPR活動を再開し始めた。同時に、国内の各観光地も中国人の習慣に合わせて、観光地に新しいサービスを追加している。朝日新聞は、古都・京都が中国人観光客を誘致するために打ち出している「古きを退けて新しきを出す」作戦について報じている。日本の華字紙「日本新華僑報」(電子版)が伝えた。
京都府宮津市は4月から、中国人ガイドの募集採用をスタートさせた。田中琳さん(30歳)は、北近畿タンゴ鉄道宮津線天橋立駅にある丹後観光情報センターでガイドとして働いている。田中さんは山東省済南市の出身で、2010年に日本人男性と中国で国際結婚、その後仕事で日本に帰国する夫とともに日本に移り住み、宮津市に落ち着いた。
自然の美しい景観で有名な宮津市の天橋立は、日本の三大景観のひとつだ。「五一(メーデー)」連休中に、中国語が話せる観光ガイドを募集していると聞き、田中さんは大変喜んだ。中国語も日本語も堪能な彼女は、中国人観光客、日本人観光客のいずれの接客も十分にこなせると考え、何の躊躇もなく応募した。また職場では、日本人ガイドに簡単な中国語会話も教えている。
京都府旅行管理部門の統計データによると、京都を訪れる中国人観光客は年間4万7千人。しかし、天橋立は、有名であるにもかかわらず、中国人観光団のツアー日程に組み入れられないケースがほとんどで、天橋立までやって来る中国人観光客は年間100人前後という。田中さんは、「中国人に最も有名なのは京都のお寺で、美しい松並木が広がる静かで優美な天橋立は、残念ながらほとんど知られていない」と話した。(編集KM)
「人民網日本語版」2011年5月28日