東日本大震災の発生後、日本を訪れる中国からの観光客は途絶えた。しかし5月中旬から、中国各地で日本観光が次々に再開され、日本ツアーを大幅値下げする現象が起きている。これについて、中国国家観光局大阪駐在事務所の鄭保壘所長は、値下げは一時的な現象に過ぎないとし、中国人観光客に低価格だけを重視しないよう注意を促した。
中国でこのほど、低価格の日本ツアーが登場し、北京では4日間のツアーが1980元と2980元で売り出された。鄭保壘所長は『新華社』の独占取材に応じ、「一時的な販売促進としては理解できるが、長期的な視点で見れば、日本の消費レベルに基づくとこの価格は合理的ではない」と述べた。
鄭保壘所長が計算したところ、1980元は日本円にするとわずか2万3000円で、往復の航空券代にもならない。旅行社は安い航空券が手に入るとしても、観光客の4日間の食費、宿泊費、交通費は全く足りず、観光の質に影響することは間違いない。
鄭保壘所長は、過去に中国香港などの安いツアーで起きた問題を戒めとすべきだと警告した。日本旅行は安ければ安いほど良いというものではない。低価格であれば観光の質を維持できないだけでなく、観光客が食事や宿泊に満足できない、自費項目が多い、旅行社との間で問題が発生するなど、旅行の楽しみが大幅に減ることにもなりかねない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年5月27日