日本の俳句では、季節を暗示する語彙、季語を使用すると規定されている。例えば、「鶯」や「雁帰る」は春、「門松立つ」や「数の子を食べる」は新年を表しており、「しゃぶしゃぶを食べる」はなんと夏を季語である。そればかりでなく、日本で鍋料理を食するには隠語を理解することが必要。でなければ、とんちんかんなことなる。
◆「ぼたん鍋」
初めて日本を訪れた際、記者は小さな店の外で、掛けられた看板に「もみじ鍋」や「ぼたん鍋」と書かれているのを目にした。日本人の飲食の細やかさについては、早くに耳にしていたものの、花を食する好みがあるとは想像すらしていなかった。日本の友人は笑いながら「もみじ鍋、ぼたん鍋は花を食べるのではなく、鹿肉の鍋、豚肉の鍋のことだ」と説明してくれた。