日本滞在中に知り合った日本人の友人に、これほど激動な人生を経た人はいなかったが、みな、人生の天国や地獄を多かれ少なかれ味わっている。アルバイト先で知り合った友人は、今では退職年齢に近い年齢になっているが、いずれもバブル時代に、銀行からの融資を受けて不動産や株を買いあさっていた。当時、稼いだ金で、彼らは新宿にある高級レストランで豪華料理を御馳走してくれたことがある。あれから20数年、同じレストランの同じ料理の値段は、当時の半分になっている。
銀行融資を受け、目黒区の高級住宅地に家を2軒買った友人がいる。家そのものはとうに銀行に差し押さえられた上に、今でも借入金が残っているという。この古くからの友人は、「もう60歳も過ぎたと言うのに、まだ働かなくちゃならない」と嘆く。20年前、彼は結婚していなかった。そして家を奪われ、巨額の負債を背負っている彼は今も未婚のままだ。
今では、大学の図書館に、勉強中の学生を多く見かけるようになった。バブルは日本に政治的・経済的な深い爪痕を残し、今でも景気低迷を脱する方策が見つけられないでいる。バブルは人々の心をむしばんだだけで、後には何も残らなかったと言ってよい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月16日