国の経済と国民生活への公債発行特例法案の重要性は菅首相もよくわかっており、最終的に3つの交換条件を出した。第1に国会会期の70日間の延長、第2に公債発行特例法案、本年度第2次補正予算案、再生可能エネルギー特別措置法案の早期成立に自民党と公明党が協力すること、第3に新体制の下で本年度第3次補正予算案について検討することだ。野党が最も強く反応したのが3番目の「新体制」だ。与野党合意の際の表現は「新体制」ではなく「新首相」だったからだ。野党は菅首相が言葉遊びによって概念を変えて、内閣の延命を図っていると考え、交換条件に反対を表明した。国会会期延長が衆院の賛成多数で成立してしまった以上、野党は会期中に別の対策を探すほかない。菅首相をめぐる状況は、辞任時期を明確にするよう強いられる四面楚歌から、水を打ったような静けさへと瞬く間に変わった。
6月2日に衆議院で内閣不信任決議案が採択されようとした時、菅首相は曖昧な「目処」という表現で引き延ばし策を講じ、党分裂目前の動乱を切り抜けた。20日後、菅首相は再び曖昧な「新体制」という表現で引き延ばし策を講じ、党内外からの攻撃を切り抜けた。だが日本の政局は不穏な状態を脱しておらず、延長された会期中にいつ動乱が生じてもおかしくない。次の最大の注目点は、70日後に出現するのが一体新体制なのか、それとも新首相なのかだ。
「人民網日本語版」2011年6月23日