野村證券は、日本経済が震災後の「V字回復」を実現する上で最大のリスクとなるのは政局の動揺だと見ている。同社は以前発表した研究報告の中で、第2次補正予算案は9月頃に閣議決定され、規模は総額13兆円に上り、日本の実質GDPを押し上げ今年は1.2%増を実現すると予測した。しかし、現状を見ると閣議決定の時期はもっと先になると見られ、日本の下半期の経済成長の原動力も弱まっている。
被災地の復旧作業について、野村證券は、がれき撤去と住宅地の再建作業は進展が遅く、そのうえ、予算案でもめていることで復旧資金が緊迫し、被災地の再建の進展に影響すると見ている。サプライチェーンの回復については、電子製品と自動車産業の回復は予想より早いが、夏の電力不足と極端な気候が依然として生産能力回復の不確定要素となっていることが問題だと指摘する。