日本の福島原発事故による悪いニュースは、最近、事後報告の形式が目立つ。原子炉1号機から3号機は実際震災2日後には重大な「炉心溶融」状態にあった、母乳から放射性物質が出た、児童の尿からセシウムが計測された、福島の45%の児童の甲状腺から体内被曝の症状がみられた、6頭の被曝汚染された福島牛が市場に流通していた・・・という具合だ。14日、また新たに別の42頭のセシウム汚染されていた福島牛が東京などの市場に流通し、消費者にご馳走として、すでに食されていた恐れがあることが判明した。
14日、福島県は、県内にある浅川町のある農家の稲わら飼料から高濃度の放射性物質セシウムが検出されたと発表した。この農家では4月からこの汚染飼料を肉牛に与えており、4月8日から7月6日の間、すでに市場に42頭の肉牛を販売していた。これらの汚染されたセシウム牛肉は14頭が横浜市、13頭が東京都、10頭が仙台市、5頭が千葉県で販売されたことがわかっている。
浅川町は福島第一原発から60キロメートル離れており、肉牛の市場販売前の放射性物質測定範囲に含まれていなかった。今回は、稲わらから放射性物質セシウムが最大でキロあたり9.7万ベクレル検出された。これは国が定めた基準の73倍にあたる。この稲わらは福島県白河市の稲作農家が事故発生後の3月15日から20日に刈り取ったもので、その後この浅川町の肉牛畜産農家に売られたものだった。白川市は福島第一原発から80キロメートル離れている。
15日、鹿野道彦農林水産大臣は、日本政府の肉牛飼料の安全対策は万全でなく、「盲点」があったと述べ、また、一般的な状況で稲わらは秋に刈り取るものだが、春に刈り取ることを想定してなかった。確かに資料の管理対策に不行き届きがあったと語り、反省を示すと同時に、今後は安全対策を強化すると表明している。
農林水産省は、3月、東北および関東地方の畜産農家に肉牛の飼料は室内で保管していたものだけを与えるよう指示を出していたが、稲わらを提供する稲作農家には特別な通達を出していなかった。
現在、農林水産省は緊急通達を出し、福島、岩手、宮城、栃木、茨城、群馬、埼玉、千葉などの8県の2.7万件を超える畜産農家に、家畜に与えている飼料の管理状況について調査を行っている。
共同通信社によれば、福島県から市場に流通した牛肉からセシウムが検出された件について、米国政府から日本政府に抗議が提出されたという。
米国は東京で行われた福島第一原発事故に関する両国政府の合同調整会議の席上、抗議を示した。米側座長の米原子力規制委員会(NRC)幹部のチャールズ・カスト氏は「日本政府は出荷停止していない食料は安全だと説明したが、今回のような事態が起きた」と不快感を示し「日本にも米国民がいる。しっかり連絡をしてほしい」と強調した。これに対し、日本側は一層の情報提供と協力をしていくとし、米国側の理解を求めた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年7月18日