中国向け粉ミルクの栄養成分、中国の基準を適用
木籐総経理は記者会見において「中国で販売される明治の粉ミルクは日本国内で売られているものとは異なります。日本で販売される粉ミルクは日本国内工場で製造されたものであり、中国で販売される粉ミルクはオーストラリアで製造された『珍愛』ブランドになります」と述べている。原則的に、日本製の粉ミルクは中国向けに輸出されず、日本国内市場のみに供給されるはずだが、淘宝(タオバオ)などオンラインショッピングで日本製粉ミルクを買う中国人消費者も少なくないことは木籐総経理も了承している。
明治の「珍愛ブランド」粉ミルクが中国の国家標準に基づき製造されていることが先だって関係者から指摘され、中国市場での波紋が広がっている。これに関して木籐総経理は「中国の国家標準に基づき製造することで変わるのは主に栄養指標です。それは各国とも栄養指標が異なっているからであって、品質的には何の影響もありません。明治の粉ミルク製造工程は、独自の品質体系を備えたものであり、深センの消費者に安心して購入してもらうことができます」と答えている。
品質的に問題なし、と木籐総経理は表明しているものの、中国の標準に基づくという事実に対し、一抹の不安を抱える者も少なくない。記者の一人が「日本人が珍愛ブランドの粉ミルクを買うでしょうか?」「貴方は珍愛ブランドの粉ミルクを消費者として買おうと思いますか?」と質問したところ、木籐総経理はバツが悪そうに「日本人が中国で買うかどうかは考えたことがありません。また、自分はまだ独身で乳児用粉ミルクを買う必要もないため、消費者として買うことはないと思います」と答えている。
不公平な「ダブルスタンダード」、消費者の選択に影響