東日本大震災の爪痕は、中国で販売されている日本製品にも及んでいる。日本製の粉ミルクも例外ではない。株式会社明治(旧称:明治乳業)の粉ミルク販売部門の責任者は先日、深セン市で行なわれた記者会見において、粉ミルクの製造拠点がすでに日本からオーストラリアに移されたことを明らかにした。当該責任者はまた、中国市場向け粉ミルクは中国の国家標準に基づき製造されたものであるが品質的には何の影響もない、と表明している。
製造拠点のオーストラリア移転は地震が原因にあらず
今年の春に日本で発生した大地震、そして原発事故により、日本製品の品質を疑問視する声が世界中の市場から上がっている。なかでも食品への風当たりは強く、中国市場においても、日本製粉ミルクへの信頼性の低下が顕著に表れている。
明治乳業貿易(上海)有限公司広州支社の木籐総経理によると、この2年、今回の地震が起こるずっと前から中国市場における日本製粉ミルクの売れ行きは振わっていない。昨年、日本で起こった口蹄疫の流行により、中国政府は2010年4月から日本製の粉ミルクを輸入禁止にしている。当時、こうした問題を解決するために、明治株式会社は製造拠点をオーストラリアに移転することを決定している。今年8月から中国で販売予定の「明治・珍愛ブランド」粉ミルクは、移転先のオーストラリアで製造されたものであり、その安全性が保証されている。
中国向け粉ミルクの栄養成分、中国の基準を適用