おとなしく日本式の豊かさと安定を享受してきた戦後日本。しかし、最近の日本経済の行き詰まり、揺れ動き定まらない政治、見通せない戦略でそんな生活も昔のことになってしまった。急速に成長する新興諸国と抗えないグローバル化の潮流、日本はどうしようもない「相対的な衰退」に陥っている。
「ノーモア韓流」「英語公用化反対」民族主義意識の復活とともに日本人は「名誉ある衰退」アジアにおける「栄光の孤立」の維持も難しくなってきているのかもしれない。
テレビ局の「韓流押し」が抗議の的に
ここのところ、日本のフジテレビは思いがけない災難に遭遇している。8月7日、フジテレビにとって記念日の前日、日本の一部国民が東京お台場のフジテレビ本社でデモを行った。「ノーモア韓流、日本を返せ」「在日韓国人は朝鮮半島へ帰れ」など激しいスローガンを掲げ、フジテレビの韓流偏重報道姿勢を批判した。
2000年から始まった、韓国の文化娯楽商品の対外輸出政策は、韓国政府の経済振興策の重要な手段だった。日本では、韓国料理、韓国バラエティー番組、韓国ドラマが代表的な韓流として広く大衆に受け入れられている。2004年から、連続6年間視聴率首位を守ってきたフジテレビは「韓流攻略」プロジェクトを進めてきた。統計によればフジテレビで1週間に放映される韓国ドラマ、韓国バラエティー番組の合計時間は40時間を越え、日本のその他の民放テレビ局よりもかなり長い時間となっている。
今回の「ノーモア韓流」事件の端緒はネットだった。7月末、日本の有名な女優である宮崎あおいの夫、俳優の高岡蒼甫氏がツイッターでフジテレビの「韓流偏重」を批判するツイートを発表した。高岡氏はこの中で、ずっとフジテレビのお世話になってきたが、フジテレビが長期に渡り韓国番組を放映していることで自分は「韓流恐怖症」になり、「洗脳されて」しまうように感じる、フジテレビの行為は「売国行為」であるとみなされると意見している。
高岡氏の発言はあっという間に多くの注目を集めた。日本のネットユーザーの中にはツイッター上で声援を送るものも多かった。一部有名人も賛意を表明した。元日本航空自衛隊員の田母神俊雄氏や前横滨市市長の中田宏氏、一部参議院議員なども公に高岡氏の支持を表明し、「韓流に警鐘を鳴らすべき」と発言した。
7月28日、高岡氏は事態の鎮静化を図り、意見を変えさせようとする事務所を辞めた。しかし、高岡氏の発言により引き起こされた「ノーモア韓流」の民間感情はエスカレートするばかりだ。アメリカ、ロサンゼルスのテレビ局でも「今となってはこれは公的な事件に変質している。」と報道されるまでになっている。
フジテレビ見ない運動やデモ行進に対し、名前を明かさないフジテレビ社員が11日、集英社傘下の雑誌の取材を受け、「韓国文化は最近日本社会でとても流行しており、韓国ドラマは継続的な高視聴率を保障できる。我々はビジネス上の利益のみを考え、視聴者に提供するだけだ。」と述べた。
韓国メディアは日本の一部で「ノーモア韓流」の動きがあることに対し、強烈な批判を展開している。韓国中央日報は、意味ありげに日本の科学者、茂木健一郎の話を引用し「日本はグローバル化の時代に自ら殻に閉じこもっている。これは極めて幼稚な行為」と批判している。感情が激しい韓国ネットユーザーはネット戦争を呼びかけ、日本への不満をぶちまけようとしている。
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