中国日報社と日本の言論NPOによる最新の世論調査から、相手国に好印象を抱いていない国民が中国で6割、日本で8割を超えたことがわかった。近年最悪の水準で、確かに注目に値する結果だ。中日関係には特殊な歴史的背景があり、国交樹立前には「民間が政府を促す」時期があった。新たな時期の中日関係においても、民意による推進または制約効果は軽視できない。
相手国への印象に揺れが生じるのは正常なことだ。国家関係における多くの事件は、いずれも民衆の心理に影響を与える。人民日報は本日付21面で中日関係に関する記事を3つ掲載している。台湾付近の島への日本の軍事基地建設計画、映画『南京!南京!』の東京での初上映、第7回「北京-東京フォーラム」の開幕だ。最初のニュースは中国民衆の対日印象を悪くするに決まっている。残る2つは中日関係におけるプラス要素の把握に役立つ。
両国間に起きることの全てがプラスということはあり得ないし、全てがマイナスということもあり得ない。中日関係の複雑性を示す例は数多くある。8月15日という特殊な日に、菅直人首相は歴史を反省する演説をし、閣僚も靖国神社を参拝しなかった。だが同じ日に、民主党代表選に出馬する意向の野田佳彦氏は「A級戦犯は戦争犯罪人ではない」と公言し、東京都の石原慎太郎知事は再び怪気炎を上げた。
中日間の相互信頼は歴史とも、現実とも関係がある。世論調査では相手国への好感が削がれている主因として、領土問題、民間の相互信頼不足、海洋資源紛争が浮かび上がった。根本的には好感度の低下は政治・安全保障分野の相互信頼不足の社会レベルの反映だ。こうした敏感な要素のマイナス作用を激化させたのは一体誰か?釣魚島船舶衝突事件など中日間の波風を思い起こしてみれば、公正で的を射た判定結果にいたるはずだ。