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中国国内において、計画生育、いわゆる「一人っ子政策」と呼ばれる人口抑制政策の緩和の是非が取り沙汰されている。近年、日本では、経済的な理由や出産に対する価値観の変化などにより出生率が著しく低下しており、少子高齢化に歯止めがかかる様子もない。日本の高齢化社会が抱える問題は、年々深刻度を増している。
ずいぶん前の話であるが、中国中央テレビ局の白岩松アナウンサーが、ある日本人学者に、「日本で最も重要視されている問題は何ですか?」と質問した。防衛、外交、経済成長などの答えを想定していたにも関わらず、その学者は「人口問題です」と、意外な回答を返している。
2010年10月1日時点で、日本国内の65歳以上の高齢者は過去最高の2,958万人となり、総人口に占める割合も過去最高の23.1%に達している。国連では、65歳以上の人口が全人口の7%を超えれば「高齢化社会」、14%を超えれば「高齢社会」と定義している。この基準によると、日本はすでに「超高齢社会」に突入していることになる。
「安心できる老後」、それは、世界一の高齢化国・日本が抱える重要課題となっている。
近年、日本では「孤独死」という社会学用語が誕生している。最近の調査によると、日本では高齢男性4人中1人が、話し相手や世話をしてくれる人がいない「独居老人」であるという。そうした独居老人達が、人生の最期を誰にも看取られず亡くなるという、いわゆる「孤独死」のケースが多くなっている。また、自力では生活していけない高齢者が、福祉施設代わりに刑務所で老後を過ごそうと、わざと犯罪に手を染めるケースも少なくない。60歳以上の受刑者数は、1990年代と比較すると、2倍に膨れ上がっている。
日本政府はここにおいて、高齢化問題を踏まえた雇用、年金、医療などの一連の新成長戦略を打ち出し、今後の社会保障改革の方向性を明確にしている。日本政府は「強い社会保障」を実現し、「少子高齢社会を克服する日本モデル」を確立する構えだ。