先日、南方日報の記者は中国青年メディア関係者とともに日本を訪れ、高齢化が日本社会に落とす影について、身をもって体験することとなった。話には聞いていたが、実際に目にした光景は驚くべきものだった。それはまるで日本そのものが老いていく姿であり、「若者がいない日本はもう戦争を仕掛けることもできない」などというジョークを言う者までいた。
◇「ここは、希望のない村」
視界いっぱいに広がる稲田は、まるで絵画のようだ。京都の北西部に位置する滋賀県日野町の小谷村で、記者は普段の生活では得難い静寂に包まれた。だが、そこに若者の姿はほとんどなく、畑仕事をする人々も、見たところみな高齢者ばかりだ。
村民の富田正夫氏は、公道沿いに大きなスーパーを経営している。店の日常業務は、主に65歳を過ぎた彼が行い、女主人の知津子さんも60歳を過ぎている。
「村民200人中、65歳以上の高齢者は50人以上もいます。」富田氏によれば、村で学校に通う子どもはたったの3人。「ここは希望のない村です。」彼はため息をつく。村には若者が少なく、息子のいない彼もまた、後継者問題で頭を悩ませている。
知津子さんによれば、子どもの数が減ったことで、学校も閑散とし、生徒数が足りないため、閉鎖せざるを得ない学校もあるという。
報道によれば、日本では過去10年の間に約200の地域が消失しており、合併を余儀なくされるところもあるという。多くの村には高齢者しかおらず、活気を失い、「死の村」と化す。また、日本の少子化も高齢者数増加の一要因となっている。この状況を打開するため、一部の村々では自主的な対策を行なっているが、先行きの不安は拭いきれていない。
◇田植えは全て高齢者