悪徳業者は中国、日本を問わず、どこにでもいることを示している。暴利の前には商道徳も崩壊する。廃棄油の不法リサイクルは何も中国だけに限った話ではなかったのである。
専門業者による廃棄油の回収
日本の廃食用油の不法リサイクル問題は1960年代に発生しただけで、その後は次第に鳴りを潜めてしまっている。中国のように際限なく増えていくことなく、消滅せしめたその秘訣は何であったのだろう?
日本では立法およびその執行が厳格に実施されていることがまず挙げられる。さらに突き詰めると、今の日本では廃食用油を売るところがない、ということが大きな原因であることに気付くだろう。もし買う人がいたとしても、食品用に使われる可能性はゼロである。
日本の住宅街でよく見かけるゴミ収集車は、バイオディーゼル燃料を利用している。バイオディーゼル燃料とは、廃食用油を原料としたもので、専門の業者が廃食用油を回収し、日本政府が高価格で買上げることになっている。日本政府はこうした廃食用油を精製し、ゴミ回収車の燃料として利用している。