「日本僑報」は9月23日、中国伝媒大学講師、チャハル学会研究員趙新利博士の論評「SMAP北京コンサート 中日文化芸能外交を充実」を掲載した。要旨は以下のとおりである。
日本の新聞におけるSMAP報道紙面。日本僑報社提供
9月16日夜、日本の音楽グループSMAPは北京工人体育館でコンサートをおこない、4万の観衆を魅了した。今回彼らにとってもグループ結成以来はじめて海外で歌うことになった。今回のコンサートは大変重要視され、前中国国務委員唐家璇はグループを宴会に招き、国務院の温家宝総理は祝電を打ち、蔡武文化部部長はコンサートを観た。2012年は中日国交正常化40周年である。 このコンサートは来年の記念活動のためによい下準備となり、SMAPも中日友好のために友好的な架け橋になった。SMAPの北京コンサートは中日文化芸能外交の要素を充実したもとした。
日本の大震災後、中国側は日本のために暖かい援助をし、温家宝総理は慰問のために被災地に入り、両国関係は大いに改善した。今年5月温家宝総理は第4回中日韓リーダー会議のために訪日し、その間にSMAPと和やかに接見し、あわせて彼らが中国でコンサートを開くことを歓迎した。今回の北京コンサートのテーマは、「がんばれ日本、ありがとう中国、アジアは家族」であり、東日本大震災発生後の援助に対して中国への感謝の意をこめている。
SMAP北京コンサートは両国間の友好関係のための継続であり推進である。つまり、容易ではない中日友好の現状に対して“ぬくもり”を与え、同時にまた2012年の中日国交正常化40周年のために有効な“下準備”をしたのである。
文化芸能外交は中日民間外交の重要な要素であり、映画、踊り、文学など多くの内容を含む。中日友好交流史上、松山バレー団を代表とする“バレー外交”は両国民間外交の美談となった。中華人民共和国建国から中日国交正常化までの20年あまりの間、中日間では、囲碁外交(1962年)、蘭外交(1960年代)、ピンポン外交(1964年、1971年)、“バレー外交”(松山バレー団)などさまざまな民間外交活動を展開してきた。まさにこれらの民間外交が築いた良好な民意と世論の基礎があったからこそ、中日国交正常化は順調に推し進められたのである。
近年、両国の文化芸能交流のパイプは日増しに拡大し、毎年大量の文化芸能が相手国の舞台で披露されている。グローバル化の時代、多くの中日の芸能人が相手国で活躍し人気を得ている。「非诚勿扰」(2008年公開の中国映画。日本語タイトル「狂った恋の落とし方」、北海道を舞台にしたラブコメディ)など現在の日本に注目した映画作品も次第に多くなってきた。中日相互理解の角度から見るとこれは喜ぶべき変化である。経済危機にあるとはいえ、「非诚勿扰」は中国で依然として“北海道ブーム”を起こしており、北海道へ行き日本の美しい自然の景色を味わいたいと思っている中国人はますます増えている。 “北海道「非诚勿扰」7日間の旅“などを売り出している旅行社もあり中国人旅行客を引きつけている。「非诚勿扰」は北海道や日本にプラスの影響を与え、日本政府が中国でおこなっているいかなるプレゼンテーションよりも勝っているかもしれない。
中国外交部の報道官はSMAPが北京でコンサートを開いたことに対し、“われわれは両国民の友好的な往来と交流活動を支持し、中日両国民が様々な形での交流や相互作用を通して国民感情が絶え間なく改善することを希望します。”と述べた。SMAPの北京コンサートはすでに普通の意味でのコンサートを超えており、両国文化芸能外交の重要な内容となった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年9月26日