日本の原子力委員会は27日、今後10年間の原子力開発の基本方針を定める「原子力政策大綱」の見直しに関する会議を再開した。会議は福島第1原発事故後、原子力委員会に国民から寄せられた原発に関する意見の98%を脱原発が占めたと報告。このうち「直ちに廃止」が67%、「段階的に廃止」が31%だった。理由は「災害時に原発は環境への影響が大きい」「放射性廃棄物の問題が解決していない」などが多かった。これらの声は今後10年間の日本の原発政策に極めて大きな影響を与える。
原子力政策を含むエネルギー基本計画を策定する組織として、経済産業省の総合資源エネルギー調査会がある。2010年に見直された現在のエネルギー基本計画は、総発電量に占める原子力発電の割合を2030年末までに53%にまで高めるとしている。経済産業省は27日、原発14基以上の新設などを含む現在の計画を見直すため総合資源エネルギー調査会内に設置する基本問題委員会について、脱原発を主張する環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長ら25人を委員に起用すると発表した。25人中10人近くが原発に批判的と見られる。初会合は10月3日に行い、その後月1、2回の議論を重ね、来年夏までに新計画の策定と、原発新規建設の可否の決定を目指す。
野田佳彦首相は22日に国連本部で開かれた原子力安全に関するハイレベル会合で、福島第1原発事故を教訓に原発の安全性を「世界最高水準」に高め、各国への原発技術と原発輸出を継続すると表明した。日本が脱原発するかどうかは、早くて来年夏に結論が出るようだ。たとえ脱原発を決定しても、段階的なプロセスになる。短期内に原子力に取って代わることのできる新エネルギーはないからだ。
「人民網日本語版」2011年9月29日