東京秋葉原の中央通りにある雑居ビルの最上階に、一風変わった喫茶店がある。コーヒーやドリンク、スナック以外に、「声」が売られているのだ。ここは日本初の「声優カフェ」。声優マニアの天国と称される場所だ。声優とは、文字通り声で演技をする人のことであり、中国でいうアフレコ役のことだ。声優カフェの出現は日本の声優文化を反映するものである。声優マニアに対する熱狂ぶりは、他の芸能スターに対するものと何ら変わらない。
日本は声優の国
声優カフェは今年の7月にオープンし、またたく間に秋葉原の名所となった。全てのスタッフが声優であることが売りで、店内には小さなアフレコルームも備えられている。顧客は専門の“メニュー”から声優を選び、その人ならではのセリフを朗読してもらう。それはまるでアニメのアフレコルームが間近にあるようで、多くのアニメファンは夢心地になる。現在、店内の声優は13人が在籍している。
カフェではプロの脚本家によるオリジナルのセリフが用意され、小さな子どもから70歳以上の老人の男女の役も含め、声の質や年齢、性別ごとに十数種類が選べる。好きな声が分かっていれば、直接「注文」することも可能だ。声優は経歴や能力がそれぞれ違うため価格も異なり、100円から2,000円となっている。