1999年、フェイ・ウォンの「Eyes On Me」が日本の洋楽チャートで21週連続首位の快挙を成し遂げると同時に、日本ゴールドディスク大賞洋楽部門で大賞を獲得した。
現在、アジア各国では文化産業が発展中だが、その中で最も成功している国家は日本だろう。映像、アニメ、ゲームなどを代表とする日本の文化産業は、今やこの国の主要産業のひとつとなっている。他方で、アジア諸国は日本市場に注目している。競争が激しく購買力も高い日本市場で名実ともに成功を収めることが、自国の文化産業の対外的実力を考える際の指針となっている。そのため、韓国やシンガポールといった文化産業が勃興しつつある国家では、「日本上陸」が一つの発展目標なのである。では、中国カルチャーは今、日本でどうなっているのだろうか?
日々豊富になっているPRの手段
古来、中国文化はアジアの中心だった。日本を含む周辺諸国の文化は中国文化の強い影響を受けてきた。日本に行けば、そこかしこで中国古代文化の影響を見ることができる。たとえば漢字、服飾、建築様式、飲食などだ。しかしこれら中国文化の要素は、早い時代から日本文化に溶け込み、大多数の日本人はそれが中国から来たものと意識していない。
もし飲食もカルチャーに含まれるとするならば、日本の各所で見られる「中国料理」「中華料理」の看板は、中国カルチャーが多くの人々をひきつけている証拠と言えるだろう。中国料理は、日本で最も簡単に見つけられる中国カルチャーだ。これらは日本人の口に合うように改良されており、主人の多くは日本人である。
中国のウーロン茶は、ミネラルウォーターと同様に多く見られる飲料であり、日本ではすっかり定着している。また華僑が創業した「中国通訊社」の営業部長、姜徳春氏によると、この10~20年間で中国の火鍋も日本で人気になったという。これも中国カルチャーの影響が日本に及んでいると見なせるだろう。
中国カルチャーのPR手段は日々豊富になっている。東京中国文化センターの活動主任、石軍氏によれば、2009年12月から2011年10月まで、東京中国文化センターのイベントは121回に及び、入場人数は25,500人に上るという。イベントの内訳は、展覧会が19回、講座が14回、フォーラムが4回、映画が45回、中国語教室が週1回、書道教室が週1回、健康教室が週1回、春節イベントが2回である。これらの活動を通じて、中国文化商品の普及に取り組んでいる。
海外華人によるメディアと出版社も、中国カルチャーの普及に少なからず貢献している。段躍中氏が代表を務める「日本僑報社」は1996年に創業。1998年に書籍出版業務を開始し、2011年5月には210種類の書籍を出版。総印刷部数は数百万冊で、その大部分が中国文化に関するものである。日本僑報社が主催する「日曜中国語教室」も、数多くの熱心な中国語学習者を集めている。
中国の伝統文化を「追っかけ」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月9日