中国の伝統文化を「追っかけ」
日本に行くと、彼らの中国伝統文化に対する深い愛情をひしひしと感じる。京劇を例にとれば、若者からそっぽを向かれ始めている中国国内に対し、日本では京劇の上演に多くの人がつめ掛けて熱狂している。酔狂とも思えるほどだ。趙永偉氏や張紹成氏といった京劇俳優も、日本でとても人気がある。2005年1月15日、趙永偉氏は招きに応じて、日本の素人京劇役者と共に山梨県北杜市長坂町で伝統京劇「長坂坡・漢津口」を演じた。このときの北杜市は大雪に見舞われ、非常に寒かった。それにもかかわらず、長坂社会会館は満席となった。地元の京劇ファンのみならず、東京からわざわざやってきた人もいた。チケットを手に入れられなかった観客は、開演前に入口でキャンセル待ちの行列を作り、上演が終わるまで立ち去ろうとしなかった。一目でも役者の顔を見てみたいのと、演劇が見られないことの悔しさからである。
日本人は京劇を愛好するだけでなく、その文化についても熱心に勉強している。京劇俳優の魯大鳴氏は、1987年に来日してから現在まで、京劇芸術の普及に努めてきた。彼は明治大学で京劇芸術と中国語を教えているが、同時に日本の高校や大学で京劇講座を開いている。昨年3月6日、魯大鳴氏は中国駐日本大使館教育処の主催で京劇講座を開催し、多くの京劇愛好者を魅了した。スペースの都合で定員60人だったところを、約100人がつめ掛けた。大阪や仙台からはるばるやってきた人もいた。そこには70過ぎの老人もいれば、9歳の子供もいた。
武術、太極拳、気功、書道、水墨画などの中国伝統文化が、日本において長期間、広い範囲で影響を与えている。最近では胡弓の知名度も高くなっている。NHKで毎週日曜日7時半に放映されている動物番組のテーマ曲は、胡弓の演奏である。また「論語」や「孫子の兵法」は、日本のビジネスパーソンに良く知られており、しばしば座右の銘となっている。