市場的な存在感はこれから
このように、日本に向けて輸出される中国の書籍、映画、ドラマ、漫画、ネットゲームなどの文化商品や、日本で活躍する中国人アーチストが増加している。それらは一定の成果を収めているのだが、中国における日本カルチャーの大きな影響力と比較すれば、その影響力は依然として小さいと言わざるを得ない。むしろ、日本で中国カルチャーに注目する人は少数派と言ってもいいだろう。たとえば、多くの文芸団体が日本で公演するとき、観客の多くが在日華人であり、日本人への影響は限られているのだ。
中国の有名なタレントについて何名かの日本の若者に尋ねると、ジャッキー・チェンなどの俳優の名前が挙がっても、新しいスターの名前が挙がることはなかった。20年ほどの間、常に同じ有名人だけにとどまっているようである。
また、この10年で日本に輸出された文化商品の中で、わずかに「HERO」と「レッドクリフ」などの数本の映画だけしか、真の意味で名実ともに収穫を得ていない。しかも、欧米や日本の文化商品と比較すれば、それらの成績もソコソコでしかないのだ。
たとえば、「HERO」の前後に日本で上映されたハリウッド映画「ハリー・ポッター」の第一部と第二部の興行収入は、それぞれ175億円と135億円だった。「レッドクリフPartⅠ」と同じ年に上映されたアニメ映画「崖の上のポニョ」は155億元である。中国の映画作品は、欧米や日本のそれと比較すれば、市場的に見てかなりの差が付いていることが分かる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月9日