日本では、「ご当地キティーちゃん」が大ヒットを記録しましたし、最近では、地方都市や地方のアミューズメントパークでの「ゆるキャラ」などが、これまた、ゆる~くヒットしていたりします。「ゆる~く」と表現したものの、そもそも開発コストが低く、地域限定でのキャラクターでありますから、版権なども単純に個別企業が保有しているケースも少なくなく、「ゆる~く」の全国ヒットは、コストパフォーマンスとして言い換えれば「大ヒット:利益率が高い」とも言えるわけですね。
このようにして、「ご当地キャラクター」というのはビジネスモデルとして日本で本格的に確立してきました。さて、中国はどうでしょうか?
キャラクターについて言えば、近年では「喜羊羊与灰太狼:シーヤンヤンとフイタイラン」という中国原作アニメがヒットし、このナショナルブランドキャラクターがそのビジネスモデルとして成功しましたが、実は中国内ではまだまだキャラクターマチャーンダイジングでの成功例というがそもそもあまりありません。
日本での「ご当地キャラクター」ビジネスというのは、これまで長年にわたり市場において「全国的キャラクター」ビジネスという下地があって成長したものですから、おそらく中国ではまだ「ご当地キャラクター」ビジネスという展開は難しかろうと思います。
興味深いのはこの点です。
まもなく中国では「全国的キャラクター」でのキャラクターマチャーンダイジングが相当多数・多様に展開してくると思います、その上で「市民運動」の立場から発祥するのではなくて「ビジネス」の立場から、すぐに「ご当地キャラクター」がビジネスモデルとして確立するようになるでしょう。御存知の通り中国での各産業のビジネス成長速度は非常に早いものですから、すぐに日本の流れと同じような状況になるでしょう。
そう考えますと、すでに中国内でもディズニーキャラクターはもちろん、キティーちゃんも流行ってきていますから、「成都キティー」とか「フフホトミッキー」などが登場してくるかもしれませんね。
中国各地のデザイナー・クリエーター・アーティストの皆さん、そして中国各地の現地商工会やイベント企業の皆さんが、面白い中国の「ご当地キャラクター」を作ってくれることをぜひぜひ期待します。流行の風がビュービューと今から吹きますよ!
(中川幸司 アジア経営戦略研究所上席コンサルティング研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月22日