2011日本アニメ・フェスティバルの開幕式が11月23日午後、在中国日本国大使館公邸で行われた。中国の蔡武文化部部長、中国を訪問中の日本の玄葉光一郎外相、丹羽宇一郎駐中国大使などが開幕式に出席した。
日本の玄葉外相はあいさつの中で、次のように述べた。多くの中国の人たちが小さい頃から『一休さん』や『鉄腕アトム』などのアニメや漫画を好んで見ていると聞いた。日本にも中国にも、多くの優秀なアニメ作品があり、両国民に互いの作品を多く見てほしいと思っている。来年は中日国交正常化40周年を迎え、両国が映画・テレビ作品の交流を行う絶好のチャンスである。両国民がこれをきっかけに、さらに多くの交流を行うことを望んでいる。今回のアニメ・フェスティバルの成功を祈っている。
中国の蔡武文化部部長は、「玄葉外相は張芸謀(チャン・イーモウ)監督の映画が好きとおっしゃったが、枝野幸男経済産業相も『鉄腕アトム』の舞台が自身のふるさとであることを何度も話し、日本の官房長官はドラえもん官房長官と自称している」としたうえで、次のように語った。中国と日本の政治家には多くの異なる点があるが、皆アニメが好きだ。両国の指導者がアニメ・フェスティバルの開催を決めたことは賢明な方策で、両国民の相互理解を深め、中日の戦略的互恵関係を発展させるのに有利となる。アニメ・フェスティバルは広く人気を集めることだろう。
開幕式には、『鉄腕アトム』でアトムの声を担当し、日本の国産テレビアニメの初代トップ声優である清水マリさんも出席した。そのほか、アニメソング歌手の山野さと子さんが中国でも有名な『ドラえもん』の主題歌を披露した。
開幕式の後、横井裕外務報道官は『中国網(チャイナネット)』の質問に答えた。横井報道官によると、玄葉外相の今回の訪中の目的は野田佳彦首相の12月の訪中に向けた最終調整で、中日双方は共に関心を寄せる国際問題と地域問題について意見交換を行うことになっている。中日間の文化交流には長い歴史があり、文化を広めることは侵略でも脅威でもない。双方は文化を共同発展させることが可能だ。また、中国が参考にできる日本のアニメの成功した経験について、「中日両国のアニメの視聴者はやや異なる。中国では、視聴者は主に子供だが、日本では老若男女とわずアニメを好んでいる。アニメは日本ではすでに一種の芸術の形となり、広く受け入れられている。中国のアニメをさらに発展させるには、視聴者の幅を広げ、より広い市場を開拓することが非常に重要だ」と述べた。
2010年5月に温家宝総理が訪日した際、中国政府と日本政府は、2011年に映画テレビウィークとアニメ・フェスティバルを開催することで合意した。これにもとづき、日本政府は11月23日に北京で『日本アニメ・フェスティバルin北京』を開催した。今回のフェスティバルでは、アニメソングのコンサート、アニメ映画の上映会、声優講演会「日本アニメ声優の50年」、Voice Rainbow声優祭の4つのイベントが行われる。