米国はオーストラリアに米軍を駐留させ、日本の米軍基地からも撤退しない姿勢を示している。つまり、日本の安全保障において米国のプレゼンスが少しも弱まっていないことを日本政府に見せつける形となった。
だが、最大の貿易相手国である中国と良好な関係を強化していくことも忘れていない。野田首相は「日中が連携することは地域と世界の安定、繁栄につながる」と強調している。来月、野田首相は米ハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席し、オバマ大統領、胡錦濤国家主席らとの会談を予定している。
「毎日新聞」掲載記事によると、米国はオーストラリアに海兵隊を新規駐留させ、また、環太平洋連携協定(TPP)交渉を推進している。米国のこうしたやり方は、中国を牽制するための手段に他ならないと見ていいだろう。だが、中国が今、積極的に推し進めているのは当該地域における自由貿易区の構築である。