写真1:津波によって屋上に乗り上げたバスが、現在もそのまま残っている。
東日本大震災から9か月近く経った12月、記者は宮城県の被災地を再び訪れた。必死の再建が進められている被災地だが、その無残な姿を間近に見ると、復興までの道がまだまだ遠いことが分かる。
12月4日、東京から仙台に行き、それから石巻市と女川町へと向かった。仙台は以前の姿をほぼ取り戻していた。美しい夜景とクリスマスの雰囲気は、自分が被災地にいることを忘れさせるものだった。
しかし2日目、仙台から車で女川町と石巻市の雄勝町に向かうと、その風景は徐々に重苦しいものとなってくる。目的地に近づくほど、道端に積まれた民家の瓦礫が多くなってくるのだ。途中にあった郵便局やガソリンスタンド、市民センターといった公共施設なども無残な姿で残されており、ひとっこひとりいない。