■小さな狙い
日本の狙いを言い当てるのは実は難しくない。日本が長年ひたすら追い求めている夢に国連安保理常任理事国入りがある。南太平洋の島嶼国は国土が小さく人口も少ないが、国連では等しく一票を持っている。太平洋・島サミットに出席した13カ国・地域が日本の目に香ばしい13票と映っていることは間違いない。これは日本が長年来、ここに大金をばらまいてきた大きな目的であり、多くの困難を抱えながらも無理して今年も資金を投入した最大の理由でもある。
太平洋・島サミットであれ、南中国海での最近のもろもろの動きであれ、日本の活発な動きは中国要素と切り離せない。近年中国は急速な経済成長を続け、2008年の金融危機発生後は国際社会への影響力を日に日に高めている。翻って日本を見ると、世界第2の経済大国の座を失った後、甚大な災害にも見舞われ、経済は現在難航している。この対照的な盛衰を前に日本は恐れ、慌て始めている。安保理常任理事国入りという長年来の夢の背後には、実は変わらぬ大国の夢がある。地域における中国との影響力争いが、日本にとって解決困難な悩み事となったのだ。
もちろん、日本の最近の騒がしい動きと米国の仰々しい「アジア太平洋回帰」戦略は緊密に関係している。日本は米国に相乗りすることで、地域における自らの影響力を高めることを望んでいると見られる。
「米国の『アジア太平洋回帰』に日本やフィリピンは自らの重みが増したと感じ、活気づき、まるで後押しを得たかのように感じている」。中国社会科学院米国研究所の黄平所長は本紙の取材にこう指摘した。