首都圏の新たなランドマークとして開業した東京スカイツリー。来場者でにぎわう新名所であると同時に、日本人のナショナリズムを高揚させるシンボルにもなっている。東京スカイタワーは、三角形の台座の上に立っており、円柱状で、高くなるほど細く頂点は円形を形成している。国宝建築物「五重塔」に似ており、日本の伝統美を余すところなく表している。
東京スカイツリーのデザインを監修した彫刻家の澄川喜一さんは、開業日に姿を見せ、「高さ634メートルを誇るタワーの建築に成功したのは日本史上初の快挙である。歴史的な巨大プロジェクトとして人々の心に刻まれるだろう」と記者に語っている。
ライフネット生命保険株式会社が実施した調査結果を見ると、世界一の高さを誇る電波塔を日本が建てたことは、日本人を「心が躍る」気持ちにさせていることが分かる。回答者の6割近くが「日本の高い建設技術に誇りを感じる」としている。また、「男のロマン」であり「競争心をくすぐられる」という回答もあった。また「日本が世界一の高さにチャレンジした。誇りに思う」という回答も多かった。
日本はすでに多くの「1番」を失ってきた。そのため「久しぶりに明るいニュースをもたらしてくれた」と入場客のサラリーマンは言う。
東京スカイツリーの建築工事に携わった田渕成明さんは、「この仕事ができて幸せだ」と感慨深げだ。また「昨年の大地震や津波は人々の心に空前の傷痕を残していった。我々はかつての明るさを取り戻さなければならない」と述べている。
1958年の東京タワーの完成から2012年の東京スカイツリーの落成まで、日本経済は高度成長期、バブル崩壊、デフレといった荒波を乗り越えてきた。東京のランドマークは、その時代を映すものだったことは確かである。ある社説には、「東京スカイツリーが景気回復の起爆剤となることを願って止まない。世界一を目指す心意気は、日本はまだ失っていない」と記している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年6月7日