「中国は強国になったか」との質問に対し、世界全体では「強国」とした人が45%に達した一方、日本では「二流以下」が44%に達したことがこのほど、中国紙「環球時報」傘下の世論調査センターが実施した調査で分かった。北京大学の張頤武教授は「両国関係の複雑さが影響している」と指摘する。環球時報が報じた。
今回の調査は米国、英国、ドイツ、日本、ロシア、インド、南アフリカ、ブラジルの8カ国で18-64歳の成人計約7千人(ロシア・南アフリカは各約500人、残り6カ国は各約1千人)を対象に実施。最終的に計7045件の回答を得た。
「中国の総合的国力は世界でどのような位置にあるか」との質問に対し、「超大国」(19%)または「一流国家」(34%)と答えた人は過半数(53%)に上った一方、「二流国」または「国力は依然弱い」は27%にとどまった。「分からない」は23%。
同センターが2011年末に中国国内で実施した調査では、「中国は世界的な強国になったと思うか」との質問に対し、「思う」と答えた人はわずか14.1%と今回の結果を大きく下回った。一方、「完全には世界的な強国ではない」は51.3%、「思わない」は33.4%に達した。「分からない」は1.3%。
中国内外での認識のずれについて、張教授は12日、記者の取材に対し、「こうした違いがあるのはごく当たり前」とした上で、「中国の国力の上昇を各国ははっきりと感じ取っており、中国の影響力は世界で最も急速に高まっている。だが中国国内では、発展に伴うさまざまな問題がやはり見えてしまう。国力の上昇を認識してはいるが、普段の生活に目を向けると、欧米などの先進国とまだ大きな格差があり、幸福感や生活水準が満たされていないと肌で感じている」と説明。
中国の国力に対する認識のずれは8カ国の間にも存在する。南アフリカでは、「超大国」または「一流国家」とした人は8カ国中最多の66%に上り、平均値を13%上回った。インド、ロシア、英国でも平均値を上回った。一方、隣国の日本では、「二流国家」または「国力は依然弱い」とした人が最多の44%に上り、平均値を17%上回った。
「二流以下」とした人の割合が日本で増えた理由について、張教授は「両国の関係の複雑さを物語っている。古代から現代に至るまで、東アジア文化の中で、中国と日本はつねに複雑で微妙な関係にあり、これが中国に対する日本人の判断や理解に影響している」と指摘。
「中国の台頭から恩恵を受けているか」との質問に対し、「とても受けている」(9%)または「受けている」(36%)とした人は計45%、「ほとんど受けていない」(26%)または「全く受けていない」(14%)は計39%だった。「分からない」は16%。
国別では、「とても受けている」または「受けている」は南アフリカが最多の64%で、平均値を19%上回った。インド、ブラジルも平均値を上回った。一方、日本は「ほとんど受けていない」または「全く受けていない」が最多の57%で、平均値を18%上回った。
「人民網日本語版」2012年7月16日