米国務省の匿名のハイレベル担当官は今年7月9日、「釣魚島は『米日安保条約』5カ条の適用対象である」と宣言し、日本が進める釣魚島「国有化」を後押しする姿勢を示した。
米国のやり方は、国際法や中国の法律に違反するだけでなく、日本の国内法にも違反している。日本の国内法においては領土の範囲が明記されており、釣魚島は含まれていないし、国連の信託統治下にある琉球諸島さえも含まれていない。そのため、米国による「釣魚島は『米日安保条約』5カ条の適用対象である」という声明はいかなる意義もない。
釣魚島は中国固有の領土である。「ポツダム宣言」は、日本の固有の領土は日本四島(本州、九州、四国、北海道)及びその他のリストに挙げられた関連島嶼のみであると非常に明確に定めており、釣魚島や琉球諸島はこの範囲に含まれず、中国の領土に属するとしている。琉球諸島が国連の信託統治下にあることは今も変わっていない。釣魚島は日本が台湾を占領していた時期にすでに宜蘭県の管轄下に置かれていた。第二次世界大戦後、日本が台湾を中国に返還した際、釣魚島及びその付属島嶼も合わせて中国に返還すべきであったが、同地域は長期間米軍に占領され、射撃場として使用されていた。1972年に、米国は釣魚島の施政権を勝手に日本に引き渡した。それにもかかわらず、米軍の引渡し書類には「施政権と主権とは関係ない」、「釣魚島問題を中日が話し合いで解決するか、あるいは第三者が仲裁して解決する」と明記されている。米国は釣魚島が中国の領土であることをはっきりわかっているはずだった。
米国務省の高官の発言を見ると、米国が日本を利用して中国を牽制しようとしていることは明らかだ。「米日安保条約」は東側と西側の冷戦時の産物で、米日二国間の取り決めであり、中国を含む第三者の利益を損ねてはいけない。米国が第二次世界大戦後の日本占領時代に「釣魚島などの島嶼に対して『施政権』を有する」と一方的に明らかにしたことも、1972年に釣魚島を勝手に日本に引き渡したことも、中国の主権と領土保全を踏みにじる違法行為であるため、中国政府に強く抗議された。
「米日安保条約」は、日本の主権擁護や米国が周辺地域で軍事行動を取る際に、日本の支援義務を強調するだけで、日本が他国を挑発したり、他国と交戦する際に米国も自動的に参戦するとは述べられていない。釣魚島で軍事衝突が発生したとき、米国は日本の利益のためにそれに巻き込まれたりはしないことを日本はよく弁えるべきである。「カイロ宣言」と「ポツダム宣言」によると、日本の領土は本土四島のみに限定されているため、米国には他人事として扱う十分な理由がある。米国がいったん巻き込まれたら、法律面の根拠がないばかりでなく、中国の主権を侵害することにもなる。