■対中警戒の必要性を繰り返し強調する「防衛白書」
今年の軍事白書の序言で森本防衛相は「わが国(日本)周辺の安全保障環境は一層悪化している」と単刀直入に指摘。まず朝鮮の新体制に言及したものの軍事との関係は大きくないため、すぐさま中国の国防費の増加や軍事力の広範かつ急速な近代化に話題を転じ、中国軍が日本近海で活動を「拡大・活発化させている」と指摘した。
われわれの目に映る日本の軍隊は平和憲法による様々な制限はあるものの、日本の時代劇で見るような武士のイメージではもはやない。森本防衛相の理論に従えば、経済が発展したのだから、軍隊も徳川幕府時代同様、軍人は左側に長刀を下げ、帯に短刀をさすべきだ。これでこそ日本の伝統的な軍隊だ。だが今日の日本の軍人の中に、このような装いの者がいるだろうか?国防費の増加について中日間の比較をする専門家は両国各々に少なからずおり、それぞれ理屈も説いている。ここではこの点について多くは触れない。ひとつ強調する必要があるのは、東アジアに相互理解の仕組みを構築できか否かだ。こうした仕組みを構築してのみ、アジアの真の平和もある程度保障できるのだ。
だが日本の防衛省は大仰な旗を振って人々を騙し、米国の力を借りて、アジアの危機を騒ぎ立てることから始め、次にもめ事を引き起こし、本当に危機を出現させようとしているようだ。われわれは中日間の領土係争問題にしきりに手を出す者が日本の政界にすでにおり、メディアも日中の民間感情の対立を煽り立てているのを目にしている。日本から係争棚上げの声はもうほとんど聞こえてこない。時を同じくして「防衛白書」は対中「警戒」を声高に強調した。軍事予算をより多く獲得するために東アジア情勢をかき乱そうとするその陰謀は誰の目にも明らかだ。
■中米対立を懸命に促す防衛省