確かに中国人の一部には好ましくないことをする人もいる。しかし、中国はこんなに広大なのだから、本当に何もよい印象を与えていないことがあるだろうか。彼は、知り合いの学者からこれと反対の意見を聞いた。その学者によれば、日本のほとんどのマスメディアの中国に関する表現は、偏向していたり、断片的だったりして、自分の価値観や審美眼で他国の事情を判断する傾向があるという。こうしたメディアの影響で、先入観が普通の日本人ひとりひとりの心の中に染み込んで、多くの日本人は中国で体験する「異国文化の旅」が「偏った印象を検証する旅」になってしまっている。これが先ほどの日本人学生が中国でしたことだ。中国のスーパーマーケットにはこんなに豊富な商品が並んでいるのに、もし先入観を心がけて専門的に探さなければ、どうしてこのような多くの品物の中からコピー製品の「讃歧(岐→歧)うどん」を見つけることができるだろうか。
大阪大学のある講師が「異文化心理学」の授業で、ある自分がよく知らない国を知るために最もしてはいけないのは、先入観を持つことだと言っていた。こうした概念は異国の物事の本質を正確に把握できなくするからだ。環球時報の彼は、日本人学生と一緒に中国旅行に行き、彼らをつれて夜市を歩いてバーベキューを食べたことがある。中国の軽食について、多くの日本人学生が食べ終わって言った感想は、「見た目はちょっと汚いけど食べたら本当においしい」ということだった。実際、彼の日本人の友人の多くが、個人的に日本のメディアの中国に対する報道の偏向性に不満を示している。友人たちは、日本のメディアの中国に対する非客観的な報道は、一般の日本人を「固定的な思考」に縛っており、ここから中国と日本の間に多くの「行き違い」が発生していると考えている。このような報道のあり方は日本自体にとっても不利益があるだろう。中国に駐在している日本企業の管理方式もこの考えに縛られて、「現地化」を実施しようとしない。日本企業は中国の従業員や作業員の労務関係の政府機関への苦情が最も多い外国企業になっており、多くの日本企業の中国進出は欧米に遅れをとっている。日本がこうした細かいところで正しい対処をしなければ、中日間の民間対立解消は絵空事にすぎないだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年9月12日