世論の批判をこっぴどく受けたことから、中国の格安航空会社・春秋航空は18日、16日に発表したばかりの日本線「0元」航空券の販売キャンペーンを同日中止すると発表した。中国広播網が伝えた。
会社設立以来、経済的・低価格を売り物とする春秋航空の各種優待キャンペーンは、発表されるたびに、消費者から広く好評を得ていた。しかし、今回の「0元」航空券の販売キャンペーンは、世論の批判の矢面に自ら身を置く結果となり、ただただ激しい非難や罵倒を受けるだけで終わった。
中日関係が緊迫化したことで、中国-日本線の乗客は激減、中国国内の航空会社は軒並み、日本線の便数を減らし、赤字転落を怖れて日本線の運航を取りやめるところも出た。春秋航空の広報担当・張武安氏は、「中国之声」の取材に対し、同社も一部の便を運航中止あるいは減便としたと語った。
世論の批判が集中した、今回の「0元」航空券販売キャンペーンの対象となったのは、上海-佐賀便と上海‐高松便の2路線。キャンペーンはひっそりと開始されたが、ひとたび「0元」航空券がネット上で伝わるやいなや、大きな波紋を引き起こした。国内大手ポータルサイト・捜狐だけでも、4万以上のネットユーザが検索、1万1千人がコメントを残した。これらのコメントは例外なく、キャンペーンに反対する意見だった。「春秋航空は利益に目がくらみ、正義とはなんたるかを忘れている」「根本的な是非を議論する以前に、春秋航空には気概がみじんもない」「春秋航空には、もう2度と乗らない」などの批判が寄せられた。
このような世論の圧力に押され、春秋航空は18日午前9時、「0元」航空券販売キャンペーンを中止すると発表した。「中国航空会社史上、最も安い航空券」は、誕生後わずか2日で命を終えた。
「人民網日本語版」2012年10月19日