ニューヨークの公共放送局NYPRの電子版は19日、「中米戦争?朝鮮が韓米の抗議を顧みず、再びミサイルを発射」と報じた。中国機が釣魚島(日本名・尖閣諸島)上空に進入し、日本は戦闘機の緊急発進を余儀なくされている。表面的にみると、こうした挑発は地域を戦争に近づけているようだが、衝突に陥ることはない。理由は次の通り。
(1)歴史をよくみると、中国語圏でも英語圏でも、新リーダーは就任後1年は外交面の大きな変化を回避するよう努める(朝鮮の金正恩は例外)。この1年、習近平主席、安倍総理、2期目のオバマ大統領はいずれも重心を海外ではなく国内に置き、国内における権力の基礎を固める。彼らが一番望まないのが海外の問題に巻き込まれることだ。
(2)戦争はビジネスにとって不利。中国も日本も、そして米国も戦争による代償は払えない。この3つの超経済大国間の貿易関係は緊密で、3カ国は貿易関係を損なうことを避ける。中日の争いで両国の利益が損なわれたことが、それを証明している。中国人は日本製品をボイコットし日本にダメージを与えたかもしれないが、その大多数の低コストの日本製品が中国で生産されたものだ。
当然、外交上絶対と言い切れることはない。これまでにも関係の密接な貿易パートナーが戦争を起こしたことはある(第一次世界大戦がその例)。また、中日はナショナリズムの高まりに当惑しており、ナショナリズムが政府に圧力をかけている。しかもある国が挑発的なことを行うたびに、判断ミスのリスクを増している。歴史的にも大きな戦争は小さなミスから始まっている。しかしまだ冷静さが優位にある。今後数カ月は様々な激しい発言を耳にするだろうが、それが実際の行動に移されることはまずないだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年12月21日