文=奥井禮喜
第46回衆議院議員選挙結果をみると、多くの有権者が二大政党を前提として投票されたらしいことが読み取れる。民主党にやらせてみたが駄目だったから再度自民党へという流れが基調にある。
3年間の民主党政権に対する批判が強く出た。先の第45回衆議院選挙で、民主党は比例区において87議席・29,844,799票(得票率38.10%)獲得した。今回は同30議席・9,628,653票(得票率16.0%)で、2000万票余失った。
自民党は先回が比例区55議席・18,810,217票(同29.16%)、今回は同16,624,457票(同27.6%)、先回よりざっと200万票少なく、得票率は1.56%の減少である。自民は、小選挙区で得票率は1.62%伸びだから横ばい。
民主党が失った2000万票は維新・みんな・未来へ移った。自民党が勝利したのではなくて民主の独り負けである。
二大政党を国民が本当に求めているのかどうか。これは疑問である。新聞が盛んに「決める政治」を喧伝するが、それをいうのであれば、「数に頼った政治的決定が独占されていいのか」という視点が大切である。
そもそもわが国の政党は党員なき政党の典型、議員政党に過ぎない。だから大政党も小政党も所詮選挙互助会政党の批判を避けられないし、《新聞発》世論を気にして政党の方針がぶれやすい。