中国のレアアース減産、中国との領土問題等を受け、かつて中国からのレアアース輸入に依存していた日本は、新たな供給源を確保する必要に迫られた。日本経済産業省の下部組織の石油天然ガス・金属鉱物資源機構は2012年9月、レアアース合金事業大手の株式会社三徳等と共同で、マレーシアのゼノタイム鉱石の調査に着手した。日本は調査を通じ、鉱石に含まれるジスプロシウムの含有量を分析し、現地鉱山企業のレアアース抽出・精錬方法を確認する。日本は2013年2月までに開発計画を策定し、国内に供給する。
日本がこのほど南鳥島の調査を急いでいることからも、レアアースの日本経済・産業に対する重要性をうかがい知ることができる。
中国レアアース業界の課題
アナリストは、「日本のみならず、その他の先進国も中国のレアアースを狙っている。本来ならば中国の資源であるにも関わらず、発言権が他者によって握られている。これは不公平だ」と語った。
米国・EU・日本等の、中国によるレアアース輸出枠の取り消しに対する立場は、驚くほどの一致を見せている。在中国日本大使は2010年10月、米・英・独・仏・韓等の主要国の大使を招き、中国に対して輸出制限の緩和を求めた。
米国は2010年12月に重要資源戦略を発表し、日本や欧州各国と緊密に連携し、レアアース供給の安定性を確保するとした。EUもその後間もなく、日本とレアアース新技術の開発、レアアース配分の国際交渉で足並みをそろえることを表明した。
欧州委員会、米国、日本は2012年6月27日、世界貿易機関(WTO)に対してレアアース輸出規制に関するパネル設置を要請し、中国のレアアース等の原材料輸出規制に関する紛争解決を求めた。
中国のレアアース市場は内外からの影響を受け、2012年に低迷した。海外からのレアアース発見に関する情報、レアアース価格の低下により、中国のレアアース企業が深刻な圧力を被った。中国の2013年のレアアース産業は、いかにこの局面を打破するべきだろうか。
業界関係者は、「市場が低迷している時期こそ、産業開発を重視する必要がある。産業発展が低い水準・段階にとどまっていれば、資源の争奪戦が展開され、利益を求める市場操作が行われ、価格の変動が生じやすい。レアアース産業も主導権を失い、他者にコントロールされやすくなる。コア技術と知的財産権を持たなければ、真の競争力を持つことができない」と警鐘を鳴らした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年1月12日