真に日本文化を愛する人に冷や水を浴びせることもある。日本語を学ぶ人たちには、自分の将来のためだけでなく、漫画ファンであったり、コスプレマニアだったりする人が少なくない。そのため、日本経済の先行きが暗くとも、彼らにとって大きな心配事ではない。
ところが、これらの人たちが憧れの日本にやって来てしばしば感じるのは、日本は決して漫画のような国でも、童話のような国でもないことである。しかも、彼らのうち、一歩進んで日本文化の本質を理解しようとする人は、20人中1人といったところだろう。失望感の広がりが、日本に憧れを持つ人たちに影響を与えている。
それ以外にも、海外で歓迎されているという日本の流行文化のレベルと名声は、決して言われているほどのものではない。1970年より、日本の美意識、文化、国家の特徴を表すキーワードは「カワイイ」だった。「カワイイ」を中核とする流行文化に対し、吐き気をもよおす人も少なくない。いったい、「カワイイ」が日本にどれだけの文化的パワーをもたらしたというのだろうか。それによって、日本が信頼され、尊敬される民族だと思われるようになっただろうか。