今回の会談で合意を得たコンセンサスについても中国社会科学院日本研究の張季風研究員は「こうした合意点はこれまでと何ら変わりがない。」と指摘する。安倍首相が日米同盟は復活したと表現したことも、実際は菅直人が失脚した後、日米同盟はすでにこれまでよりも緊密に回復しており、米国は日本から離れたことはないのだ。
また、安倍首相は会談中、オバマ大統領が日米同盟を米国のアジア政策の「中心的基軸」といったことで、彼は安倍首相に国防関係費の増加と長期的に停滞する経済刺激策を含む緊密な協力関係を保証した。
張季風主任はこの合意は目新しいものではなく、米国は日本に対して一貫してこれまでどおりの利用・抑止戦略をとり続けており、米国がアジア太平洋地域への回帰政策をとっていることを受けて、今のところ日本の利用価値が高まっているだけだと分析する。「米国は経済の回復と政治が弱体化した日本を望んでいる。日本の利用価値が高まり、米国に脅威となることはないと踏んでいるからだ。」