アジア開発銀行研究所(東京都)の河合正弘所長は先ほど米メディアのインタビューに応じた際に、「日本と米国はADBの最大の出資国だ。米国はADB総裁に興味を示しておらず、その他の加盟国も十分な支持票を確保していないことから、黒田氏の辞職後も日本が同ポストを維持できるはずだ」と話した。
しかしADB総裁の人選について、日本にも「弱み」がないわけではない。
まず、日本は国内の政治需要により黒田氏を途中下車させるが、これは無責任な行為であり、日本が本質的にはADBの事務を蔑ろにしているのではという印象を与える。
次に、世界銀行とIMFのこのほどの改革方針を見ると、新興経済国・発展途上国の主張の重視、新興経済国の国際機関における発言権の拡大は大勢の赴く所となっている。
それから、一国が長期的にADBを独占することで、多くの弊害が生じる。これにはADBの組織機構および観念の硬化、強い勢力を持つ加盟国によるADBの政治利用などが含まれる。
新たな国際金融構造、地域政治の変動の中、日本がこれまでのようにADBを掌握しようとするならば、それはADBにとっての利益とならず、アジアの数多くの発展途上国・後進国の利益になることもない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年3月8日