中日関係は釣魚島をめぐる争いによって1972年の国交正常化以来最も冷え込んでいる。中日関係の現状と今後の動向について、環球網記者は在日中国人学者の岳光氏に聞いた。24年間日本で生活してきた岳氏は両国の文化、歴史、政治制度について非常に詳しいことで知られる。
岳氏:中日関係は世界で最も複雑な関係といえる。日本がまだ野蛮だった時代に中国ではすでに官僚制が確立されており、文化、技術、国家制度などが数多く日本に伝わった。2千年余りの交流の中で中国と日本は5回の大きな戦争を経験した(漢民族のほうから仕掛けたことはない)。
中日関係と独仏関係を同列に論じ、資源の「経営共同体」を確立したことで独仏は国家間の問題を解決したといわれるが、中日両国もこれを見習うことができるという見方がある。日本は東中国海の石油資源を発見後、釣魚島問題が生じたと強調しており、その資源をめぐって中国と「互恵」関係を構築しようとする日本のボトムラインが見えてくる。これは日本が中国人の意識の深い所をかなり読み誤っていることを説明している。
日本は農耕社会とはいえ、農耕文化の起源国ではない。「農耕」の哲学的概念は土地に愛情を注ぎ、生きとし生けるものを育み、子孫を残し、「生」の欲望を存続させていく、中華民族の生命の源泉といえる。土地を失うことは生命を失うことに等しい。失った土地をあきらめるのは自らの文化を否定することに等しい。人類が情報化時代に入ろうと、引き継がれてきた文明を失わず、さらに昇華すべきだ。