社説は、「日本がなぜ、主権、独立を失ったのか、戦前の歴史も含めて問い直すことが大切なのである。」と高説を垂れる。大事なことである。にもかかわらず一行として軍国主義・全体主義国家時代の反省の記述はない。
もはや出来の悪い高校生の作文みたいで、笑いたくなるのだが、笑えない。占領以来日本人が独立の気概を失ったから領土問題で主権が脅かされていると短絡する。それも言うなら日米同盟絶対主義こそ非独立意識そのものだ。
占領されるようなことになったのは、日本の不徳の致すところであり、その歴史的反省が皆無であるのはお粗末に過ぎる。しかも「沖縄県民の複雑な思い」と書くが、中身がなく付けたしである。
4.28記念式典なるものを掲げ、占領下で制定された憲法だという表面的批判を弄し、わが国の主権が脅かされていると恐怖感を煽り、感情的愛国心を募る。自民党の憲法改悪のお先棒を担ぐのみで中立どころの話ではない。
奥井禮喜氏のプロフィール
有限会社ライフビジョン代表取締役
経営労働評論家
日本労働ペンクラブ会員
OnLineJournalライフビジョン発行人
週刊RO通信発行人
ライフビジョン学会顧問 ユニオンアカデミー事務局
1976年 三菱電機労組中執時代に日本初の人生設計セミナー開催。
1982年 独立し、人と組織の元気を開発するライフビジョン理論で、個人の老後問題から余暇、自由時間、政治、社会を論ずる。
1985年 月刊ライフビジョン(現在のOnLineJournalライフビジョン)創刊。
1993年 『連帯する自我』をキーワードにライフビジョン学会を組織。
2002年 大衆運動の理論的拠点としてのユニオンアカデミー旗上げ。
講演、執筆、コンサルテーション、インターネットを使った「メール通信教育」などでオピニオンを展開し、現在に至る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年4月9日