■着任「大使はずっと待ち望んでいた仕事」
記者:駐中国大使を務めることは緊張しますか?
木寺大使:私は緊張することもありますが、わりと楽観的な性格なので、基本的にはリラックスしています。
記者:外務省から大使就任の件について聞いたのはいつですか?その前から心の準備はできていましたか?
木寺大使:大使就任という知らせは、どの時期に聞いたとしても驚いたことでしょう。しかし長年外交官を務めており、国に尽くすことが私の仕事です。責任重大ですが、やはり任命を受け入れました。日本国の大使として、日中友好関係の拡大と発展に全力を尽くすことを決意しました。
記者:「特殊な時期」の駐中国大使として、仕事の重点は何でしょうか?
木寺大使:日本の駐中国大使として、日中友好関係の拡大と発展が私の最重要任務です。現在日中関係には困難が生じていますが、こうした時期であればあるほど、両国は全ての分野で意志疎通を継続、強化し、経済・文化分野の交流を積極的に拡大すべきです。日本大使館は中国各地の日系企業に助力し、日中の経済関係の発展を促すことを望んでいます。
それと同時に、青少年交流や文化活動といった民間交流の支援にも力を入れたいと考えています。今年3月に私たちは本当の日本を見てもらうため、中国各地の大学生約80名と若手の中国メディア関係者約90名を日本に招待しました。外交の仕事に魔法や奇跡はなく、地に足のついた努力が極めて重要だと私は考えます。可能な限り多く直接会って話をするとともに、日中間の文化交流を促進し、両国民の相互理解を深めたいと思います。
木寺大使の記した「和」の字。インタビュー終了時に「一言または一字で中日関係に対する木寺大使の期待を表現していただけないでしょうか?」と聞くと、木寺大使は秘書から手渡されたサインペンで記者のノートに「和」の字を書き、署名もした。
記者:どのような方法で両国間の関係を改善しますか?
木寺大使:人と人との交流が極めて重要です。より多くの中国の友人たちに本当の日本を理解してもらい、日中両国が調和のとれた付き合いをすることは、日中両国民にとってプラスです。この点をさらに多くの人に説明したいと思っています。青少年交流の促進が極めて重要です。未来を担う若者同士の相互理解も大変重要です。私としては初めて大使に就任し、外交の第一線で働くことに喜びを感じています。外交官の主たる仕事は海外におもむき、現地の政府や市民と交流することです。現在の仕事は私が外務省入省以来ずっと待ち望んでいた仕事であり、本来の仕事に戻ったような気がしています。
■期待「王毅外相と共に日中関係を改善したい」